Zrは軽水炉の被覆管として広く使用されている元素である。また、Zrの酸化物であるZrO2は2700 ℃以上の高い融点を有しており、るつぼや耐火壁等として用いられている。ZrやZrO2の溶融物は原子炉の炉心溶融事故の際に生じると考えられており、その性質の解明は重要な課題である。本成果により、溶融したZrとZrO2の凝固時の挙動は大きく異なっており、ZrO2は凝固時に体積が膨張するという特徴を有することが明らかとなった。これはZrO2の液相と固相の密度差や凝固時の気孔の生成といったことが原因であると考えられ、炉心溶融事故における炉心溶融物の挙動評価の高度化に資する情報であると考えられる。
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