本研究課題で見出した、ボトムアップ的合成手法により構築したナノチャンネル強磁性体は、従来の金属、金属酸化物からなる強磁性体にはない1 nm程度の規則配列したナノチャンネル構造を有し、また、そのナノチャンネル構造がゲスト分子に依存して柔軟に変化する新しい強磁性物質である。ナノ構造とバルク磁性の関係性、本研究課題ではナノ構造体の示す磁気異方性に関する知見は、分子磁性体分野だけでなく、従来の金属、金属酸化物磁性体やコンポジット磁性体のナノ構造と磁性の関係性にも波及し得る可能性を秘めており、ナノ構造磁性体分野の発展に繋がることが期待される。
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