窒素分子の純液体中での並進および回転の拡散係数について、分子質量、慣性モーメント、数密度、分子形状、充填率、温度の各変数依存性を、分子動力学計算によって評価し、粘性率の評価結果と併せて定式化した。得られた表式は、種々の二原子分子と三原子分子の幅広い密度と温度での並進および回転の拡散係数ならびに粘性率の挙動を統一的に表現できることがわかった。これによって、直線型分子に対する並進および回転の拡散係数ならびに粘性率の定式化が達成されたと結論した。特に、並進の拡散係数と粘性率は分子形状に依存しないが、回転の拡散係数は分子形状に強く依存することが明らかとなった。
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