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2023 年度 実績報告書

油水界面における電位自励発振現象を用いた金属用防錆油の防錆機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K05370
研究機関富山大学

研究代表者

砂田 聡  富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 名誉教授 (00206575)

研究分担者 畠山 賢彦  富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 准教授 (30375109)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード防錆能力 / 電気化学 / 自励発振
研究実績の概要

歯車等の複雑形状の部品には,安価で容易に成形可能なFe-Cu-C焼結材料で作られているが,高温多湿の雰囲気では容易に錆びる欠点がある.そこで防錆油を塗布して防錆している.これまで防錆油の性能を定量的に評価する方法が無かった.ここで筆者らは防錆油の防錆能力を評価する水膜試験法を独自開発した.この方法は防錆油を塗布した水平な金属材料表面に腐食溶液を用いて水膜を形成し,金属材料の上に薄い防錆油があり,その上に腐食溶液の水膜を付けて,その水膜を介して金属材料の自然浸漬電位の経時変化を測定することで防錆油の防錆能力を評価手法である.この方法を使用して.防錆油の粘性が防錆能力に及ぼす影響を明らかにした.その結果,防錆油の防錆能力に及ぼす粘度の影響は小さく,むしろ添加する表面活性剤の水成分を取り込む能力に影響されることを明確にした.また,水膜試験法を用いた動電位分極曲線の測定により,防錆油を塗布してから30分間の初期段階では腐食速度に及ぼす防錆油の粘性の影響は小さく,防錆油を塗布による腐食速度は塗布の無い場合の約10万分の1倍になることが定量化でき,それらを論文にした.一方,防錆が常に必要なMg合金の切削油の防錆能力を水膜試験法で定量化した.この切削油は水成分に油の粒を表面活性剤の作用で分散させる構造である.通常の防錆油とは水成分,油成分の構造が逆であるが,このような,切削油でも水膜試験法が適用できることが実験の結果判明した.すなわち,油成分を分散させる表面活性剤の種類によって切削油が腐食速度を増加させる場合があるが,逆に表面活性剤を適正に選ぶことによっては腐食速度を減少させる働きがあることを突きとめた.

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公開日: 2024-12-25  

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