本研究を通して、量子化学と情報科学・データサイエンスとが融合する形態が第3ステージの量子化学になると考えて「量子化学3.0の時代」という造語を提唱するに至る段階になったと考えている。 「機械学習」や「人工知能」「自動化」など情報科学分野の進展は目覚ましい。それに付随して、機械学習・深層学習が多くの分野で普及が進んでいる昨今ではデータベース化がより進行している。したがって、今後の量子化学ではコンピュータによる自動的なデータ収集などが主流になると予測できるが、アウトプットとゴール(大抵の場合は実験値)との「差」をどう解釈するかは今後も課題であり続けるだろう。
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