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2023 年度 実施状況報告書

次世代発光素子のための固体青色燐光性を有する渡環型白金錯体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K05441
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

小宮 成義  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00301276)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード白金錯体 / りん光
研究実績の概要

前年度に引き続き、結晶状態でりん光発光性を示す、渡環構造を有するtrans-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)錯体をモチーフに用いた発光色制御法に関する研究を行った。これまでに、サリチルアルジミナト配位子の4位に電子供与性の置換基、5位に電子吸引性の置換基を導入すると、無置換の場合に比べて発光波長が大きく短波長側にシフトすることを見出している。本錯体合成の鍵となる電子供与性置換基および電子求吸性の両方を有する新規サリチルアルデヒドの一つとして、これまでに、4位にメトキシ基、5位にメトキシカルボニル基を有する新規サリチルアルデヒドの合成に成功しているものの、収率が著しく低いという問題があった。本研究では、合成ステップの最終段階であるフェノール誘導体のホルミル化に関する検討を行い、位置異性体が多く生成するヘキサメチレンテトラミンを用いる反応から、マグネシウム塩存在下パラホルムアルデヒドを用いる反応にすることで収率は8%と低いものの目的化合物を選択的に得ることができることを明らかにした。さらに、反応条件を最適化することで、最終的に収率を83%まで大幅に向上させることに成功した。この方法は、メトキシカルボニル基よりもさらに電子求引性の高いトリフルオロエトキシカルボニル基を有するサリチルアルデヒドの合成にも応用できることを明らかした。本手法により、目的とする電子状態の制御された白金錯体の大量合成への方法が確立された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

白金錯体のりん光の波長を制御する方法として、電子求引性および電子供与性置換基を用いることで、これまでとは違うアプローチで行うことが可能であることを明らかにできた。

今後の研究の推進方策

発光波長の制御のために、フロンティア軌道のエネルギー準位をいかに、効率よく制御できるかについて、計算化学を併用して、最適化を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

研究計画にあわせて順調に予算を使用できている。新規白金錯体の合成のための試薬や器具を購入していく。

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公開日: 2024-12-25  

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