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2021 年度 実績報告書

ルイス酸部位を有する遷移金属錯体の特徴を活かした触媒反応開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K05458
研究機関長崎大学

研究代表者

小野寺 玄  長崎大学, 工学研究科, 准教授 (90433698)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードホスフィン-ボラン / パラジウム / イリジウム / 金 / ベンジルアルコール / 炭素-水素結合活性化 / 付加環化反応 / クロスカップリング反応
研究実績の概要

本研究では,ホスフィン-ボラン化合物を各種遷移金属錯体の配位子として用いることでルイス酸部位を有する遷移金属触媒を調整し,この触媒の作用によって効率的に進行する有機合成反応の開発を目的として研究を行っている。2021年度に行った触媒反応に関する研究の結果を以下にまとめる。
ベンジルアルコールとトリフェニルボロキシンとのクロスカップリング反応について研究を行った。ホスフィン-ボラン配位子とパラジウム錯体を触媒として用い,中程度の収率でジフェニルメタンが得られることを明らかにした。さらなる収率の向上を目指して様々な反応条件の最適化を行った。引き続き,基質適用範囲について調査中である。
過去の研究で,イリジウム/ホスフィン-ボラン触媒系を用いて2-アリールピリジン類のオルト位炭素-水素結合シリル化反応が進行することを見出している。そこで,この研究を応用して硫黄原子を含む官能基が結合した芳香環上の炭素-水素結合シリル化反応の開発を試みた。メチルベンジルスルフィドとヒドロシランとの反応はほとんど進行しなかったが,フェニルベンジルスルフィドとの反応において,ベンジル基の芳香環上の炭素-水素結合シリル化反応がわずかに進行した。収率の向上を目指して研究を続けている。
ホスフィン-ボラン配位子と金触媒を用い,分子内にアルキン部位を有する活性メチレン化合物の分子内付加環化反応について研究を進めた。この反応では触媒量の銅塩を添加することで良好な収率で環化生成物を得ることができた。生成物としてはシクロペンテン誘導体が得られたが,この環化反応は5-exo-dig型でアルキン部位への活性メチレンの付加が進行した後,生成するエキソメチレン部位の炭素-炭素二重結合が環内へと異性化することでシクロペンテン骨格が構築される。この異性化にはプロトン移動が関与していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] ドルトムント工科大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ドルトムント工科大学
  • [雑誌論文] C-H Silylation of 2‐Arylpyridine Derivatives by Using Iridium Catalyst and Phosphine‐Borane Ligand2022

    • 著者名/発表者名
      Keita Anoyama, Gen Onodera, Tsutomu Fukuda, Masanari Kimura
    • 雑誌名

      Advanced Synthesis & Catalysis

      巻: 364 ページ: 1223~1227

    • DOI

      10.1002/adsc.202101476

    • 査読あり
  • [学会発表] ホスフィン―ボラン配位子と金触媒によるマロン酸エステル誘導体のConia-Ene反応2021

    • 著者名/発表者名
      小野寺玄,桑原麟太郎,福田勉,クラウゼ ノーバート,木村正成
    • 学会等名
      第67回有機金属化学討論会

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公開日: 2022-12-28  

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