研究課題
アレニコライドAに関しては既に、C1-C18セグメントとC19-C36セグメントの椎名エステル化(C1カルボン酸とC25水酸基間)、分子内オレフィンメタセシスにより合成した。その後C30-C31位の三置換アルケンを立体選択的にエポキシ化する必要があり、29位水酸基をその手掛かりとする計画だった。そのため29位水酸基は他と異なるMPM基で保護していた。その脱保護を種々検討したが全て複雑な混合物となった。そこでMTM基に代えたC27-C36セグメントを合成し、C19-C26位と分子間オレフィンメタセシスを試みたが、イオウによる触媒不活化のため進行しなかった。昨年度、SEM基に代えたところ、メタセシスによりC19-C36セグメントを合成できたが、C1-C18セグメントとのエステル化が進まなかった。種々のセグメントを合成し椎名エステル化を検討したところ、C19-C26と短くしたセグメントの場合、C1-C18セグメントと容易にエステル化した。これらの知見から、29位水酸基の保護基がC25位水酸基周辺の立体配座に影響するものと考えており、現在はその保護基をEE基に代えたC19-C36セグメントを合成した。アプリロニン類に関しては、独自に開発したエポキシ不飽和エステルからの4連続不斉中心構築反応を鍵工程として、C5-C11位に相当するトリオールを合成していた。2022年度は、その1級水酸基を選択的に酸化し、安定イリドを用いたWittig反応により共役エステルとした。さらにジエチルメチルホスホナートと反応させてC5-C14位に相当するβケトホスホナートを合成した。また、ロッシュエステルを出発原料としてC15-C20位のアルデヒドセグメントを合成した後、C5-C14セグメントと連結してC5-C20セグメントを構築した。また、独自の方法により側鎖部の2か所の4連続不斉中心も構築した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
Tetrahedron Letters
巻: 114 ページ: 154253~154253
10.1016/j.tetlet.2022.154253
Chemistry, An Asian Journal
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