arenicolide Aの合成の中で、閉環メタセシスを繰り返し用いる新しい戦略を提示することができた。本研究は全合成には至っていないが、完全炭素骨格を構築できていることから、本合成経路が抗腫瘍活性増強に向けたarenicolide誘導体の構造活性相関研究に貢献するものと考える。 また、独自に開発したエポキシ不飽和エステルからの4連続不斉中心構築反応が、Aplyronine Aの合成に応用されたことで、複雑な化合物の構築にも応用できることを示した。多連続不斉中心を有するマクライド天然物などの合成において、今後大いに利用される可能性があると考えている。
|