隣接官能基を有するアミドと有機金属試薬の組み合わせにより、カルボニル炭素への求核付加反応から始まる新たな分子変換反応を開発した。具体的には、α位にブロモ基を導入したラクタムをGrignard試薬や有機リチウム試薬と反応させると、求核付加-環縮小反応が進行し、α-アシルピロリジンが得られた。一方、α位にクロロ基を導入したラクタムを用いた場合は、求核付加-脱水反応が進行し、β-クロロエナミンが得られた。また二重結合を導入した共役ラクタムを用いれば、求核付加-骨格変換反応または求核付加-転位反応が進行し、対応する含窒素ヘテロ環化合物が得られた。本研究成果により、アミド化学の新たな一面を開拓できた。
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