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2019 年度 実施状況報告書

単純な有機分子を触媒とする可視光ペルフルオロアルキル化反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K05472
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

矢島 知子  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10302994)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード可視光反応 / 有機触媒 / ペルフルオロアルキル化 / ラジカル反応
研究実績の概要

本研究は、単純な有機物を触媒とし、ハロゲン化ペルフルオロアルキルをフッ素源とする可視光ペルフルオロアルキル化の開発を目的とし、(1)有機色素であるエオシンYを触媒とする反応、(2)エナミンを触媒とする反応、(3)単純アミンを触媒とする反応の3種類の反応について提案をした。研究初年度においては、(1)のエオシンYを触媒とする反応については、スチレンへの反応において、水由来の水酸基が導入されたヒロドキシーペルフルオロアルキル化反応が進行することを見出した。さらに、この反応はベンジルカチオンを経由し、様々な求核剤を導入可能であることを明らかにした。(2)のエナミンを用いた反応については、エナミンを当量以上用いる反応ではあるが、スチレン、アクリレート類に、酸素由来の水酸基が導入されたヒドロキシーペルフルオロアルキル化が進行することを明らかにした。(3)のアミンを用いた反応については、スチレン、アクリレート類にこの場合も酸素由来の水酸基が導入されたヒドロキシーペルフルオロアルキル化体が得られることを明らかとした、さらにこの反応系においては、未だ制御能は低いものの、ヨウ化ペルフルオロアルキルからのアクリレート類の光重合も可能であることを見出した。
以上、3種のいずれの反応においても、これまでペルフルオロアルキル化の例の電子不足オレフィン、スチレンに対する反応が進行することを明らかにし基質適用範囲を拡大することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画した3種の反応について、基質の適用範囲を広げることができた。さらに、アミンの反応は光重合にも適用できるという、計画外の知見を得ることができた。

今後の研究の推進方策

これまでの結果に基づき、さらなる反応の適用範囲の拡大、不斉反応への挑戦、反応機構の解明を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究初年度に購入を計画していたパーソナル合成装置を使用せずとも研究を推進することができた。また、試薬類も既存のもので足りたため。今年度、合成装置・試薬の購入を計画している。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] Synthesis of perfluoroalkylene oligo(ethylene glycol) alternative polymer via photoinduced polyaddition2020

    • 著者名/発表者名
      Shinmen Manami、Sasahara Kana、Nakamura Saki、Kanbara Tadashi、Yajima Tomoko
    • 雑誌名

      Journal of Fluorine Chemistry

      巻: 229 ページ: 109417~109417

    • DOI

      10.1016/j.jfluchem.2019.109417

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Visible Light-Induced Radical Iodoperfluoroalkylation of Unactivated Olefins Cooperatively Catalyzed by Enamines and Amines2020

    • 著者名/発表者名
      Yajima Tomoko、Murase Mao、Ofuji Yu
    • 雑誌名

      European Journal of Organic Chemistry

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1002/ejoc.201901896

  • [学会発表] パーフロロアルキル基の導入反応の開発とその自己集合性2019

    • 著者名/発表者名
      矢島知子
    • 学会等名
      第23回液晶化学研究会シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] ラジカル環化反応による含フッ素環状エーテルの合成2019

    • 著者名/発表者名
      大藤 柚, 神原 將, 矢島 知子
    • 学会等名
      第8回JACI/GSCシンポジウム
  • [学会発表] 電気化学会有機電子移動化学研究会2019

    • 著者名/発表者名
      簡単?光をあてればフッ素が入る。
    • 学会等名
      第15回有機電子移動化学若手の会
    • 招待講演
  • [学会発表] 単純なアミンを有機触媒とするオレフィン類への可視光ペルフルオロアルキル化反応2019

    • 著者名/発表者名
      田中美邑、神原將、矢島知子
    • 学会等名
      CSJ化学フェスタ
  • [学会発表] 単純なアミンを用いた可視光ペルフルオロアルキル化反応の開発とラジカル重合反応への展開2019

    • 著者名/発表者名
      田中美邑、神原將、矢島知子
    • 学会等名
      第42回フッ素化学討論会
  • [産業財産権] 含フッ素化合物の製造方法2020

    • 発明者名
      矢島知子、大藤柚、香川巧
    • 権利者名
      矢島知子、大藤柚、香川巧
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2020-030373
  • [産業財産権] 含フッ素化合物の製造方法2020

    • 発明者名
      矢島知子、中山萌黄、香川巧
    • 権利者名
      矢島知子、中山萌黄、香川巧
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2020-009026

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公開日: 2022-12-28  

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