V-S系について、高圧装置を用いて、10から13万気圧、700から1000℃での高温高圧反応を行った。その結果、これまでに報告のない硫化バナジウムを発見した。この化合物は、これまでにない新しい層状構造をもち、Vの配位数は珍しい八配位であること、構造中に硫化物イオン(S2-)とジスルフィドイオン(S22-)をもつことを見出した。 また、我々が以前発見したCrS3の単相合成に成功し、この化合物が反強磁性体であることを見出した。現在その磁気構造を中性子線回折測定により解析中である。またMgとBaと炭素との高圧反応により、データベースにない回折ピークを与える生成物が得られ、現在その同定作業を進めている。
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