水素の電子を利用した還元的炭素―炭素結合反応の構築を目的として、研究期間内に以下の4つ成果が得られた。(1)ヒドロゲナーゼを範とした電子貯蔵触媒の開発、(2)ハロゲン化アルキル同士の還元的炭素―炭素結合反応、(3)芳香族化合物の炭素―水素結合の活性化によるビアリールの合成、(4)二酸化炭素と有機ハロゲン化物からのカルボン酸合成である。すなわち、ヒドロゲナーゼの機能を模倣した電子貯蔵触媒を利用することで、有機ハロゲン化物を還元的に活性化し、ハロゲン化物、芳香族または二酸化炭素との炭素―炭素結合反応を構築することに成功した。
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