環状構造を有する銅-硫黄クラスターの核数や酸化状態は、配位子の置換基および反応条件によって、制御できることを明らかにした。三核の銅-硫黄クラスターは側鎖ベンゼン環の2つのオルト位に置換基をもつ配位子を用いることで選択的に合成でき、また、八核の銅-硫黄クラスターはパラ位に置換基をもつ配位子を用いることで合成できることがわかった。一方、六核の銅-硫黄クラスターは2つのメタ位にメチル基を導入した場合に合成でき、塩素原子の場合には八核クラスターを生成した。これらの銅-硫黄クラスターを触媒とする可視光による水からの水素製造反応を行ったところ、三核と六核クラスターが高い触媒作用を示した。
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