研究課題
本年度は、今後、コンプトン散乱を用いた分析法をより実用に近いナトリウムイオン電池などへ適用することを視野に入れ、これまでコイン型セルを用いて行っていたコンプトン散乱実験を円筒型セルに適用した。本研究では、新品セルと劣化セルの2種類を用意し、それぞれのセルで満充電状態と完全放電状態での反応分布を比較した。その結果、セル外部では新品セルと劣化セルで大きな違いは観測されなかったが、セル内部では、両セルの結果に明らかな違いが観測された。これは、セル内部で熱が滞留を示唆する。本研究により、コイン型セルのみならず円筒型セルにも本実験手法が適用できることを示した。
2: おおむね順調に進展している
2019年度は、当初の計画通り真空チャンバーの作製を行い、実験環境を整えることができた。また、試料の作製を開始した。今後本手法をより実用に近いナトリウムイオン電池へ適用することを視野に入れ、円筒型セルを用いたコンプトン散乱実験を行い、新品セルと劣化セルとで内部の反応が異なることを明らかにした。
今後は、引き続き様々なナトリウム濃度のNa3Bi試料を作製し、真空チャンバーを用いてコンプトン散乱実験を行うことを考えている。
次年度使用額が生じた理由は、国際会議の航空券を想定より安く購入できたことによるものである。次年度は、実験のための旅費の一部として使用する予定である。
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Condensed Matter
巻: 4 ページ: 66
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Physical Review B
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