金銀合金ナノ粒子、金パラジウム合金ナノ粒子、金白金合金ナノ粒子を調製し、それぞれイオンの脱離効率を評価した。金イオンに加えて、銀イオン、パラジウムイオン、白金イオンの脱離を確認した。銀イオンは金イオン以上に効率良く脱離イオン化したが、パラジウムイオンと白金イオンの脱離効率は低かった。金パラジウム合金の場合は、金:パラジウムの原子比率を1:3以上すればパラジウムのイオン化効率が向上することがわかった。一方、金白金合金の場合は、金:白金比率を2:1以上にすると白金のイオン化効率が向上することがわかった。 銀の2種類の同位体のマスシグナルを利用して、夾雑イオンの影響を最小限にして合金ナノ粒子の動態を追跡できることを明らかにした。金銀合金ナノ粒子をゼブラフィッシュゼブラフィッシュに経口接種させた場合には、72時間後まで体内に残ることを明らかにできた。白金ナノ粒子を摂取させて、白金イオンおよび白金ナノ粒子による表面支援脱離イオン化によって得られる有機物のイオンを分析したところ、白金ナノ粒子が体内に取り込まれ、循環器系に移行することを明らかにできた。この場合、白金ナノ粒子や約24時間後に体外に排出されることがわかった。 金銀合金ナノ粒子と金パラジウム合金ナノ粒子にそれぞれ抗体を修飾し、サンドイッチタイプの抗原抗体結合を作らせることに成功した。金銀合金ナノ粒子と金パラジウム合金ナノ粒子が近接すると、銀パラジウムイオンが脱離する。このイオンをレポーターとする定量生のある免疫検出を実現することに成功した。
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