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2021 年度 実施状況報告書

核酸小分子リガンドを用いた電気化学的な遺伝子検出法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K05534
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛

研究代表者

武井 史恵  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 進学課程, 准教授 (30252711)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードDNA / RNA / 小分子リガンド / 蛍光分子
研究実績の概要

我々は、申請者の独自技術であるDNAの特殊構造に特異的に結合する“小分子リガンド”を使った遺伝子蛍光検出法を基盤とし、新たに電気化学的な手法を用いた高選択的な高感度生体分子計測法を構築することを目的として、一昨年から研究を始めた。電気化学的手法としてインピーダンス(EIS)を用い、DNAと小分子リガンドの相互作用の変化を電気シグナルとして検出する方法の開発を目指し、昨年は小分子リガンドを固定化した電極の開発と基本原理の実証を行った。本年度は昨年度得られた知見を基にさらに基本原理の詳細を明らかにするための実験を行なった。
電極をポリビニルアルコール(PVA)を用いて被覆した電極を作成し、PCR前後の溶液において抵抗値の変化について検討したところ、非被覆状態では酵素が電極上に吸着することによる抵抗値(Rct)の緩やかな上昇が見られたが、被覆した状態では、早期にRct値が一定の値に達し、安定した測定違えられることがわかった。
次に我々が今まで開発したHP-PCR法、もしくはHpro-PCR法を使った電気化学的なモニタリング法について検討した。蛍光分子DANPをPCRの緩衝液中に存在させると、DANPの量の増加に伴いRctが大きく減少した。この結果より単離しているDANPの量をPCR前後で変化させることができれば、DANPの量をモニタリングすることで、PCRの進行を観測できるのではないかと考えた。実際にDANP存在下PCRの前後の溶液を測定すると、PCRの進行に伴い、Rctが変化することがわかった。このメカニズムについての詳細についてはまだ明らかにできていないが、DANP存在下においてのPCRのモニタリングが可能であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の蔓延に伴い、研究補助員を探すことができずに、若干の遅れが生じている。現在は研究補助員が見つかり、遅延を回復すべく取り組んでいる。

今後の研究の推進方策

溶液中のDANPの量の変化に伴うRctの変化が観測できたことから、このメカニズムについての詳細について検討を行う。我々が以前に開発したHP-PCR法とHpro-PCR法は、PCRが進行するに伴い、遊離しているDNAPの量がそれぞれ増大する系と減少する系であり、その遊離の差を蛍光で観測している。この系中におけるDNAPの量を今度は電気化学的に効率よく測定することができれば、DNA中の一塩基の違いも観測可能と考えられる。まずはメカニズム検討後、DNA前後におけるRct変化が大きな系を選び、条件を詳細に検討して、実際に測定可能な系へと発展させる。

次年度使用額が生じた理由

研究補助員を雇用する予定にしていたが、COVIT-19蔓延のため良い人材が見つからず、次年度使用とした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Protective Effect of Luminal Uric Acid Against Indomethacin-Induced Enteropathy: Role of Antioxidant Effect and Gut Microbiota2022

    • 著者名/発表者名
      A. Wada, M. Higashiyama, C. Kurihara, S. Ito, R. Tanemoto, A. Mizoguchi, S. Nishii, K. Inaba, N. Sugihara, Y. Hanawa, K.Horiuchi, N. Shibuya, M. Akiyama, Y. Okada, C. Watanabe , S.Komoto, K. Tomita, F. Takei, R. Hokari
    • 雑誌名

      Dig Dis Sci

      巻: 67 ページ: 121-133

    • DOI

      10.1007/s10620-021-06848-z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] (1)High Allele Discrimination in the Typing of Single Nucleotide Polymorphisms of miRNA2021

    • 著者名/発表者名
      Fumie Takei, Misaki Akiyama, Minori Dateki
    • 雑誌名

      Bioorg Med Chem

      巻: 46 ページ: 116363-116369

    • DOI

      10.1016/j.bmc.2021.116363

    • 査読あり
  • [学会発表] Detection of MicroRNAs with Similar Sequences Using Reverse-Transcription Hairpin-Probe Polymerase Chain Reaction2021

    • 著者名/発表者名
      Fumie Takei, Misaki Akiyama,Minoru Dateki
    • 学会等名
      ISNAC 2021
    • 国際学会
  • [学会発表] インピーダンス測定によるPCRのリアルタイムモニタリング2021

    • 著者名/発表者名
      韓 煥文、信澤 和行、武井 史恵、朱 鼎傑、 橋田 徳康、山下 一郎
    • 学会等名
      第82回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] 一塩基配列が異なるmiRNAの蛍光検出法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      武井史恵,秋山美沙紀,山下一郎
    • 学会等名
      第82回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] DNA, RNA に特異的に結合する分子の開発とその応用2021

    • 著者名/発表者名
      武井 史恵
    • 学会等名
      174委員会講演会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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