本研究では,糖レセプター共重合フィルム中にレセプター感受性NIR吸収素色固定化UCNPsを包埋したかたちのNIR発光グルコースセンシングフィルムを開発した。このセンシングフィルムの応答機構は我々が独自に考案したものであり,また,UCNPsをグルコースの検出原理として用いるのは本研究が初めてである。 本研究で開発したセンシングフィルムは,皮膚組織の光学的妨害の少ないNIR励起光を照射し,異なる波長のNIR発光強度を測定する全く新しい機序に基づくものである。これにより,皮下に長期間滞留可能な光学的持続血糖測定システム(CGM) の実用化に大きく貢献でき,糖尿病患者への福音という波及効果も大きい。
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