本研究では、重縮合に対し、成長末端の活性化部位とモノマー捕捉部位が互いに入れ替わる循環機構を持つ二官能性触媒を提案し、重縮合における新しい制御概念の実証を目的とした。 触媒部位にヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)骨格を用い、スペーサーで2分子を結合した二官能性触媒を合成した。得られた二官能性触媒に重合開始基(開始末端基)となるアセチル基を導入し、L-プロリン(L-Pro)の重合を行った。水/アセトニトリル混合溶媒中、4℃で重合を行うと、分子量約2,000、分子量分散度1.2程度の分子量が揃ったpoly(L-Pro)を得ることに成功し、二官能性触媒が重合制御に有効であることが示唆された。
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