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これまでに数多くの重合法が開発され、多様な構造・性質を有するポリマーが合成可能になっているが、今なお既存の重合法では合成できない骨格のポリマーや発現できない性質が存在する。本研究では、「ジアゾカルボニル化合物を鍵モノマーとする多成分縮合重合系の開発」と題し、多様な反応性を有することから有機合成において広く用いられているジアゾカルボニル化合物を鍵モノマーとする新たな多成分縮合重合系の開発を目指している。また、得られる新規なマルチコンポーネントポリマーの物性評価を行い、ポリマー構造と物性の関係について詳細に調査することを目的としている。
最終年度である今年は特に、N-H挿入反応を素反応として利用した新規エレクトロクロミズム材料の開発に関する研究について重点的に取り組んだ。具体的には、１分子に２つのジアゾカルボニル基を有する２官能性ジアゾカルボニル化合物を設計・合成し、トリフェニルアミン骨格を有する２官能性ジアミンとのN-H挿入反応による縮合重合を行うことで合成を試みた。溶媒や温度、触媒などの諸条件をさまざま検討した結果、ポリマーを得ることに成功した。得られたポリマーの構造をNMRやMALDI-TOF-MSにより解析し、目的の骨格を有する構造の明確なポリマーであることを確認した。さらに、生成ポリマーのエレクトロクロミズム挙動を調査し、ポリマー骨格とエレクトロクロミズム特性との関係について新たな知見を得ることに成功した。
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