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2019 年度 実施状況報告書

ナノ金属上での有機分子の長距離秩序構造構築と分子プラズモニック材料としての展開

研究課題

研究課題/領域番号 19K05589
研究機関龍谷大学

研究代表者

河内 岳大  龍谷大学, 理工学部, 准教授 (70447853)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードポリマーブラシ / 表面開始重合 / 共役系高分子 / 自己組織化単分子膜
研究実績の概要

本年度は、高グラフト密度のπ共役系ポリマーブラシを作製することを目的として、金属表面を開始点とするAB型フルオレンモノマーの連鎖縮合重合の条件検討を行った。Auをスパッタしたガラス板を、1-bromo-4-ethynylbenzene(1)のエタノール溶液に浸漬し、1の自己組織化単分子膜(SAM)を作製した。この基板をグローブボックス中でbis(tri-tert-butylphosphine)palladiumのトルエン溶液に浸漬し、Au表面に化学吸着している1をパラジウム化した(ステップ①)。これを開始剤基板として用いたAB型フルオレンモノマーの表面開始重合を行った(ステップ②)。評価は、ポリマーブラシ基板の蛍光測定と、Auを溶解させて遊離するポリマーのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)測定により行った。ステップ①については、モノマー濃度と重合時間について検討し、ステップ②については、反応温度と反応時間について検討した。条件を最適化した結果、グラフト密度0.053 chains/nm2のPFOポリマーブラシを得ることに成功した。また、基板表面で開始したポリフルオレンの数平均分子量は2万以上にもなり、溶液重合では得られない高分子量体が合成できていることが明らかとなった。
種々の炭素数のω-メルカプトアルキル基を有するビオローゲン樹状配列分子を合成し、金ナノ粒子上における自己組織化について検討した。アルケニル基の炭素鎖が2~4ではグラフト密度の低いSAMしか得られなかったが、炭素数10では理論値に近いSAMが得られることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

COVID-19の影響により年度後半の研究進捗は鈍化したものの、予定通りに進展している。次年度の影響が懸念される。

今後の研究の推進方策

作製したπ共役系ポリマーブラシについて、角度分解分光測定などを行い、構造解析を行う予定である。また、金ナノ粒子上に作製した非共役系ビオローゲン樹状配列分子のSAMについても構造解析と分光特性評価をすすめる予定である。ただし、COVID-19の影響が懸念される。

次年度使用額が生じた理由

初年度に備品の購入を検討していたが、研究の進捗により、次年度以降に持ち越した方が妥当と判断したため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] Rutgers University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Rutgers University
  • [学会発表] 表面開始重合によるπ共役ポリマーブラシの作製2019

    • 著者名/発表者名
      薦田健矢, 河内岳大
    • 学会等名
      第68回高分子学会年次大会
  • [学会発表] ビオローゲン樹状配列分子が形成する自己組織化単分子膜の特性2019

    • 著者名/発表者名
      西田周平, 河内岳大
    • 学会等名
      第68回高分子高分子討論会
  • [学会発表] 表面開始重合により作製したπ共役系ポリマーブラシの構造解析2019

    • 著者名/発表者名
      薦田健矢, 河内岳大
    • 学会等名
      第68回高分子高分子討論会

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公開日: 2021-01-27  

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