今後の研究の推進方策 |
ポルフィリン分子8、10、12の結果をもとに、新たなポルフィリン分子として6Nを設計したことは上述の通りである。同様の分子設計指針からフルオロアルキル鎖(-C2H4C4F9)を有するポルフィリン分子(6F)も合成した。驚くべきことに、このポルフィリン分子が円形の2次元超分子ポリマーを与えることを発見した。今後、6Fの自己集合メカニズムを突き止め、その精密合成を達成する。 また、2次元超分子ポリマーのブロックコポリマー合成に挑戦する。これまでに得られた知見から2次元超分子ポリマーを合成するためのモノマーの分子設計指針が明らかとなりつつある。これを生かして、異なる金属を有するポルフィリン分子や、化学修飾が可能なポルフィリン分子を合成し、6あるいは6Nとの2次元ブロック超分子ポリマーを合成する。1次元のブロック超分子ポリマーについては既に成功しているが(Sugiyasu and co-workers, J. Am. Chem. Soc., 2018, 140, 10570)、もし、2次元で同様のコンセプトを実証することができれば、複雑で高機能の分子集合体の創出に繋がると期待できる。
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