アクリルゴムは、耐熱性や耐オゾン性などに優れた極性の合成ゴムであるが、耐熱性の向上が喫緊の課題となっている。本研究では1)結晶性を有する成分の導入による効果的な相分離構造の形成と結晶成分の融解潜熱を利用した耐熱性向上、2)共重合制御を用いた架橋点間分子量の均一化 という観点からアクリルゴムの性能向上を目指した。 結晶性成分としてアルキル鎖長の異なるアクリレートモノマーを合成し、アクリル酸エチルとの乳化共重合を行ったところ、アクリレートの場合には、補助乳化剤の使用が不可欠であった。tert-ブチルアクリレートとの共重合体の熱分解で架橋サイトとして使用できるカルボキシ基の導入に成功した。
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