研究課題
基盤研究(C)
本研究では,分離膜を指向した光触媒能を有する窒化炭素系高分子薄膜の作製を行った.窒化炭素類(GCN及びPHI)は合成温度及び水熱処理により,窒化炭素類の大面積化とナノ化が達成された.しかしながら,窒化炭素ナノシート薄膜は安定な薄膜ではなかったことから,分子間相互作用などによる安定化が不可欠であることを見出した.また,より安定な薄膜構築を目指した窒化炭素類の構造模倣した高分子の合成も試み,窒化炭素の構成分子とアルキル鎖導入反応の進行とオリゴマーの生成を確認した.
ナノ材料化学
海水淡水化膜などの分離膜は,現在エネルギーコスト低減のための膜厚の低下,有機物など吸着に伴う目詰まり防止などが望まれている.原子1層分の厚さであるナノシートは分離膜材料として有望視されているが,分離効率の高い大面積な多孔性ナノシートは限られている.窒化炭素類は均一な空孔を有するといわれている光触媒であり,この大面積ナノシートが構築されれば,メンテナンスフリーの分離膜などが期待できる.