研究課題
モノのインターネットを実現するための課題は、電源の確保であるが、電池交換、充電操作、電源配線などが容易ではない場所も多い。その電源技術のひとつと して注目されている技術が、熱、光、振動などを「ハーベスト」して、電力に変換する技術である。熱から電力を取り出す「熱電変換技術」は、可動部がないた めメンテナンスフリーで長寿命、設置も容易な点で注目されている。本研究は、カーボンナノチューブ(CNT)/ナノ材料の界面を精密制御することで、p型およびn 型熱電特性を示す新規ハイブリッド材料を創製し、高い熱電特性を示すフレキシブルなモジュールを開発するものである。ポリアミドアミンデンドリマー(PAMAM)で保護したAg、Ptおよび、AuコロイドのTEM観察の結果、平均粒子径は、それぞれ7.9 nm、 487 nm、3.2 nmで、AgおよびAuコロイドは均一であった。熱電特性評価の結果、CNT複合膜のキャリアが電子であることを示した。一方、導電率は、金属種で大きく変化し、Ag > Au > Ptの順となった。すなわち、コロイド粒子の中心金属種の特性が反映される結果となった。Agイオン量を固定し、CNTに対してPAMAMの添加量を変化させた結果、出力因子は未添加(58.1 μWm-1K-2)に対し、PAMAM-Ag コロイドの添加で268 μWm-1K-2を示し、約4倍向上した。このn型半導体CNTシートを340℃で1時間焼成したところ、興味深いことに半導体特性がn型からp型へと変化した。これらの材料より構築したπ型モジュールは良好な発電性能を示し、4.2 μWの最大電力が得られた。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 8件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
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