本研究は、6π電子環状系フォトクロミック分子の光反応性について、分子を構成する部位の配列との相関性を明らかにすべくAAE型とAEE型フォトクロミック分子に着目した。①AAE型フォトクロミック分子では、分子内相互作用により高い光反応性を保持させることができた。更に、両異性体から蛍光を発することで、有機EL素子や蛍光マーカ材料への応用につながる成果となった。②黄色の安定なフォトクロミック材料を得るためにAEE型骨格にも着目した。高い光転換率を示し、黄色の着色体は十分に光安定で、熱退色は見られなかった。以上より、AとEの配列を組み替えることで特異的機能を持つフォトクロミック分子合成に繋がると考える。
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