本研究では、様々なアスペクト比を有するルチル型およびブルッカイト型酸化チタンナノロッド結晶の合成に成功した。圧粉体の交流インピーダンス測定から、ルチル型では誘電率が増大するアスペクト比のしきい値が存在することが示唆された。ブルッカイト型では、アスペクト比が小さいほうが高誘電率を示す傾向が観察された。走査型プローブ顕微鏡を用いたナノロッドの電気化学特性評価では、応答は観察されたものの、正確な誘電率算出には至らなかった。目標であった形態と機能の関係調査においては一定の成果が得られ、単粒子に対する誘電特性評価においては次につながる大きな進展が見られた。
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