本研究では水熱合成酸化物中の過剰なOH基が特異結晶の生成を促す可能性に着目し、OH基による結晶生成制御、すなわち、ヒドロキシエンジニアリングという新規分野の確立を目指した。 ①結晶内部の水酸基は必ずしも排除される対象ではないこと、②系として安定に酸水酸化物を導入することで特異結晶が得られる可能性があること、③酸水酸化物はオストワルド段階に従って安定相である酸化物に結晶成長すること、を明らかにした。計算科学との協働により、OHが結晶内に取り込まれても安定構造を示すことを明らかにし、さらに、機器分析的な構造解析によりそれを実証できた。
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