ニッケル系二次電池の正極材料として用いられるβ型水酸化ニッケルは、結晶構造及びナノレベルの粒子形態を制御することにより、急速充放電時の性能を向上できる可能性がある。本研究では、まず、Mg置換試料の酸化還元反応が円滑に進行することを明らかにし、充放電容量が約10%増加することを明らかにした。さらに、異種元素による置換効果を詳細に検討し、Cu置換系とMn置換系で層状構造の層間距離に対応するピークが2つに分裂する現象を新たに見出し、この層間構造の変化が充放電特性に大きく影響することを明らかにした。さらに、亜鉛Znで置換すると、熱的に安定なα型構造が合成でき容量増加が見込めることがわかった。
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