研究課題
基盤研究(C)
酸化物イオン伝導性アパタイト型ランタンシリケートをモデル物質として,自己配向現象という概念を適用した新しい反応性テンプレート粒成長法(RTGG法)の開発を行った.テンプレート粒子を「Reactive substrate」,反応性粒子を前駆体薄膜に見立てた基礎的検討によって,自己c軸配向性の出現を確認し,c軸配向性の制御因子を明らかにした.また,焼結体においても,新しいRTGG法によるc軸配向性の出現が観察できた.
無機材料化学
RTGG法は他のセラミックス配向化手法に比べて大型設備が不要で量産性が高く,配向の均質性やコスト面でも優位である.しかし,テンプレート物質と配向化したい目的物質との間に十分な格子整合性を有することを前提としているため,適用可能物質が少ないという短所がある.本研究により,非晶質も含めて幅広くテンプレートを選択できる可能性が示され,シリケートをはじめとする多くの配向セラミックスへRTGG法の適用範囲の広がりが期待できる.