現在の化学産業における分離・精製プロセスは、全プロセスの消費エネルギーの40%程度に達する場合もあり、その低エネルギー化に対する社会的ニーズは非常に大きい。低エネルギー化を達成するための一つの方法として多孔体を用いたガス分離技術があり、これまでさまざまな多孔体が用いられてきているが、本研究では、多孔性金属錯体に着目する。多孔性金属錯体はこれまでの多孔体とは異なり、細孔のサイズや形状を容易にコントロール可能であることが大きな特徴があるものの、ガスふるいを可能にするレベルでの精密制御は未だ困難であった。そこで本研究では構造変換反応を用いる新手法によりその精密制御を目指した。
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