天然繊維の絹や合成繊維のキュプラ等の布繊維を高温で炭化処理すると、布繊維が元来有する高い多孔性を維持したまま、非常に疎水性の高い炭化繊維材料が得られる。海水、随伴水の淡水化プロセスの構築を最終目的とし、これらの膜がどのような膜蒸留性能を示すかを調査した。 その結果、従来膜蒸留に利用されるポリフッ化ビニリデン膜と比較して、炭化繊維膜は非常に高い撥水性を示すことを確認した。3wt% NaClを供給液とした膜蒸留測定では、炭化繊維膜はPVDF膜より5倍程度高い透過流束が得られた。親水性を付与した複合膜の膜蒸留では、油分の透過はほとんど観測されなかった。
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