研究課題/領域番号 |
19K05666
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Perovskite / Solar Energy / Stabilty / Oxidation / Photochemistry / Efficiency / Interface Engineering / Photoconversion |
研究実績の概要 |
当課題における実験遂行に必要となる酸素センサー、湿度センサー、およびガス混合装置等の機器は全て取得することができました。当試験環境については雰囲気中の水分量と酸素量の制御が非常に重要であり、この雰囲気制御を担うガス混合装置は堀場STECによって設計および組立されたものであります。実験では窒素雰囲気下でペロブスカイト太陽電池の安定性を調査しました。私たちの研究室で作成した鉛由来およびスズ由来の両方のデバイスを太陽光放射を模した光源を用い、安定性を調べる測定を行いました。また、セルの最大出力電力を追跡するための測定方法を開発し、セル特性を表す関数であるインピーダンス測定も行いました。2019年11月には日本応用物理学会秋季大会にて、セルのインピーダンスに対する光強度の影響について報告を行いました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
鉛およびスズ由来のペロブスカイト太陽電池の劣化を研究する当プロジェクトは大きな問題もなく順調に進んでおります。ガス混合装置の導入には多少時間を要しましたが、それまでの間にサンプルの測定システムを立ち上げ、動作試験を行い、必要とするデータの収集ソフトウェアの作成もスムーズに進み、迅速にペロブスカイト太陽電池のテストに入ることができました。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染防止のために研究活動および関連業者の動きが制限されているため、現時点での進展は限られたものになります。研究が再開すれば、まず、装置の最終組み立てが完了し、本格的に測定が開始できるようになります。次に、室内光のLEDランプ等の照射に対応する低照度アプリケーション用に最適化された鉛ペロブスカイト太陽電池の劣化について検討を進めます。酸素、水分、および光の強度がセルの寿命に及ぼす影響を観察し、分解経路のメカニズムと分解速度を明らかにして行きます。この家庭でデバイスの寿命を改善するための最適な製造方法および材料テストを行います。特に、デバイスを安定させるための2次元ペロブスカイト材料の利点を定量化することを目指します。当研究期間において、鉛ペロブスカイト太陽電池の研究を完了し、同時に現況、不安定でさらなる改良が求められているスズ由来のペロブスカイト材料の初期測定を開始して行きます。
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