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2020 年度 実施状況報告書

超安定G-quadruplexを利用した光駆動型疑似スプライシングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K05686
研究機関信州大学

研究代表者

小笠原 慎治  信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (50462669)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードG-quadruplex / スプライシング / 光操作
研究実績の概要

本研究の目的は、光応答性超安定G-quadruplexを使いRNAポリメラーゼが転写する範囲を光照射で切り替える「光駆動型擬似スプライシング」システムを開発することである。
本年度は計画通り①無細胞タンパク質発現系での光駆動型擬似スプライシングシステムの動作確認をおこなった。また前年度より引き続き、②光応答性超安定G-quadruplexを2箇所に導入したプラスミドの作製もおこなった。
①前年度確立した手順に従い、P2Aペプチドおよび光応答性超安定G-quadruplexを介して黄色蛍光タンパク質(Venus)と赤色蛍光タンパク質(mScarlet)の遺伝子を導入したプラスミドを作製した。無細胞タンパク質発現系に作製したプラスミドを加え30 ℃で3時間反応させた。光刺激しなかったサンプルからは微弱なVenusの蛍光のみが観察されmScarletの蛍光は観られなかった。一方、反応前に460 nmの光を照射したサンプルからは微弱なVenusの蛍光とVenusよりさらに微弱なmScarletの蛍光が観察された。これは、光駆動型擬似スプライシングシステムが働いたことを示唆する結果である。Venusに比べmScarletの蛍光が弱い原因は、光刺激によって光応答性超安定G-quadruplexが完全に解けていないため、あるいはP2Aペプチドが無細胞タンパク質発現系で機能していないためだと考えられる。
②PCR法と制限酵素法を併用した方法で光応答性超安定G-quadruplexを2箇所に導入したプラスミドの作製をおこなったが、十分量のプラスミドは得られなかった。制限酵素法の低収率を改善する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度の進捗だけを見れば概ね計画通り進んでいるが、全体で見るとやや遅れている。その原因は初年度の研究機関の移動により、研究設備のセットアップに時間を要したことにある。

今後の研究の推進方策

2021年度は計画通り、培養細胞およびゼブラフィッシュ胚を用いて光駆動型擬似スプライシングシステムが生体内でも使用できるかを調べる。それと並行して、光応答性超安定G-quadruplexを2箇所に導入したプラスミドの作製も引き続き行う。

次年度使用額が生じた理由

初年度、研究機関の移動に伴い計画外の出費があり前倒しをおこなった。それを少しでも取り戻すため高価なキット試薬は購入せず、自ら調合するなどの節約をした結果、次年度へ11194円の繰越金が発生した。繰越金は2021年度請求額と合わせて物品費として使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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