研究課題
基盤研究(C)
真核生物では選択的RNAスプライシングという現象によって1本のRNAから複数種のタンパク質が生産される。これにより限られた数のRNAから多様なタンパク質が産まれる。この現象と同様のことをDNAレベルで人工的に光照射で引き起こす新しい遺伝子工学技術の開発を目指し研究をおこなった。デモンストレーションとして、1本の環状DNAに2種類の蛍光タンパク質の遺伝情報を乗せ、光を照射した時だけ2種類の蛍光タンパク質を生産することに成功した。
分子生物学
1本のDNAから光照射で転写されるRNAの領域を切り替える新しい遺伝子工学技術を開発した。これは擬似的な選択的RNAスプライシングを光で操作したとも言える。選択的RNAスプライシングは真核生物の細胞では常におこっており、特に発生過程で正しく体を形成していく際に重要だと考えられている。本技術は発生途中の任意の過程で任意の細胞で人為的に選択的RNAスプライシングを引き起こすことができ、その機能的意味の解明に役立つと考えられる。それによって蓄積した知見は人工臓器作製などへ活かすことができる。