研究課題
最終年度には、バイポーラ電気化学顕微鏡の検出素子の高密度化および配列化について検討を進め、キャピラリープレートを基材として用いて、10 μm直径の電極が15 μm間隔で規則正しく並んだ導電性カーボンクローズドバイポーラ電極アレイの形成方法を確立し、これを用いて再現性の良いイメージングができることを示した。これまでの成果を応用し、直径200 nmの多孔質アルミナ膜に導電性材料を充填する手法の開発を進めた。これにより、光学限界に迫る解像度での局所分子動態の観察が可能になる。さらに、脳内の乳酸の挙動をイメージングするための基礎技術として、電極にプルシアンブルーを修飾し、過酸化水素の定量が可能であることを示した。また、ドーパミンを計測するために新たな発光試薬の検討を行い、バックグランドノイズを大幅に軽減できることを示した。また、発光試薬を電極に固定化することにより、高感度検出が可能になることも示した。自由行動ラットの脳内分子動態イメージングに向けて、検出素子のファイバー化の検討を進めた。熱延伸法によりバイポーラ電極を62本封入したファイバーを作製し、これが検出素子として利用可能であることを示した。また、両端径の異なるファイバーを作製することで、拡大画像を得たり、高感度化したりすることができることも確認できた。これらの技術は、細胞間情報伝達を担う分子動態を直接観察できる、高解像度かつ高速な電気化学顕微鏡システムの実現に大きく貢献する。
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