R1EN-fusion法は結晶スポンジ法のように簡便にゲストタンパク質の結晶構造を決定する手法である。しかし分子量上限が21kDaであり、応用にはネックとなる。これを克服するためにジスルフィド結合によるヘテロ多量体を構築し、結晶化を試みたが再現性が極めて低く、結晶化の再現性の改善が急務であると思われた。沈殿剤のpHが結晶化に影響を与えるため、緩衝剤としてトリスを用いた条件で改めて結晶化条件を探索したところ、pH7.4で細長い結晶を得ることが出来た。これを手掛かりに条件を詰めて今後はよりコンスタントに結晶が得られ、より広い範囲のタンパク質の構造解析に適用できるようになると期待される。
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