ヒトインドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ1(IDO)はトリプトファン(Trp)に酸素2原子を添加するヘム酵素である。この反応はヘムによる唯一の二原子酸素添加反応である。その一方で、この反応が免疫抑制に関与することから、IDOは癌の免疫療法のターゲットである。しかしながら反応機構全容は不明である。本研究では反応機構解明を目指し、酵素反応の一部始終を分光学的に追跡して反応中間体の構造と状態について調べた。その結果三者複合中間体が二状態存在し、また次のステップに進むためにTrpが高い反応性をもつことの重要性が示唆された。
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