研究実績の概要 |
(1)ヒト間葉系幹細胞が軟骨細胞に分化するマーカー遺伝子群の発現解析 ラテックスの存在によって、分化する段階の初期に発現するマーカー遺伝子(SOX9)の発現が誘導されていることがわかった。初期に発現するマーカー遺伝子群(SOX9, Aggrecan, Col-II, Runx2, Col-I)の解析は、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を用いて行い、ラテックス濃度が遺伝子発現におよぼす効果と細胞培養時間との関係を明らかにした。これによってヒト間葉系幹細胞が軟骨細胞に分化する過程において、ラテックスと遺伝子群の応答の機序を解明することができた。 (2) 3次元培養された軟骨組織の組織学的評価 細胞集塊のヘマトキシリン・エオジン染色を行い、集塊内の空隙を定量化し、組織内のコラーゲン濃度の算出を行い、生体軟骨組織との類似性を検証する。ラテックスに抗体を使って緑色蛍光タンパク質にて免疫染色し、軟骨組織内でのラテックスの位置分布を調べて力学モデルの構築を図った。これによって、マイクロインデンテーション法にて測定された軟骨組織の弾性率と構造の相関を明らかにすることができた。
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