本研究では、がん病理の理解および生体の恒常性維持機構の理解に向けて、hOGG1の触媒機構の解明に挑んだ 。hOGG1の活性残基としては、Lys249(K249)とAsp268(D268)が触媒残基と目されている。しかしこれらの触媒残基の化学的役割については未同定の部分が多い。 そこで以下の研究を実施した。1) hOGG1の活性残基の置換変異体を作製し、pH依存的な酵素活性の変化から酵素学的pKaを決定した。2) 上記変異体および天然型hOGG1を用いてNMR分光法による活性残基のpKa値を直接的に決定した。 上記の実験から、グリコシラーゼ反応には活性残基からのプロトン供与が必須であることが解った。
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