本研究は、26Sプロテアソームに作用しやすいペプチド複合型阻害剤を開発することを目的とする。このペプチド領域は細胞膜透過性を持ち、薬剤耐性細胞に対する効果を増強させる。まず、cDNAディスプレイ法により大腸がんに顕著に発現する膜タンパク質に結合する新規配列ペプチドを探索した。次に、プロテアソームに集積するペプチドを分子量500程度のプロテアソーム阻害化合物に連結し、受容体エンドサイトーシスにより細胞特異的に内部移行し、標的に集積する化合物を合成した。さらに、モデル系として大腸がん由来株化細胞を用い、細胞内プロテアソーム活性などを検証し薬効を証明した。
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