研究課題
基盤研究(C)
グアニン四重鎖(G4)は核酸の一本鎖領域に形成される高次構造で、遺伝子プロモーター領域に存在し、mRNA産生を抑制する。本研究では、G-カルテットとグルーブを認識するリガンド6OTD-Bpを設計し、評価した。実験により、6OTD-BpがテロメアG4に特異的に結合し、架橋することが確認された。さらに、特定のハイブリッドG4にも選択的に架橋することが示された。この結果は、G4認識においてカルテットとグルーブの両方を標的とすることの重要性を示すことができた。
ケミカルバイオロジー
本研究は、G-カルテット面とグルーブを同時に認識する二重認識リガンド6OTD-Bpを開発し、G4構造の認識と安定化の新たな戦略を提案したものである。この成果により、特異的なG4構造を標的とすることで、遺伝子発現の制御や新しい抗がん剤の開発に貢献する可能性がある。G4構造に対する理解が深まり、核酸化学および生物医学研究における重要な進展を示している。さらに、G4リガンドの設計が改良され、将来的にはさまざまな疾患の治療法開発にも役立つと期待される。