がん細胞の代謝適応機構は有望な治療標的になると考えられるが、エネルギー代謝のスイッチ機構は不明な点が多い。我々は、GLUT1を欠損した大腸がんDLD1 GLUT1-/-細胞は、野生型に比べエネルギー代謝が解糖系から酸化的リン酸化へ大きくシフトしていることを見出し、両細胞の定量プロテオーム解析から、代謝スイッチに関わる可能性のあるタンパク質を複数同定した。同定タンパク質に対する化合物アレイスクリーニングにより、複数のヒット化合物を得た。また、がん細胞の代謝阻害を指標にしたセルベース探索で見出したNPD403-5は、GLUTsを標的とし、in vivoで有意な抗腫瘍活性を示すことを明らかにした。
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