現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル植物であるシロイヌナズナでは,Ca2+チャネルとして,グルタミン酸レセプター型チャネル(Nature. 1998, 396, 125.),2孔型チャネル(Nature. 2005, 434, 404.),サイクリックヌクレオチド誘導チャネル(Frontiers in Plant Science, 2012, 3, 1),高浸透圧誘導チャネル(Nature. 2014, 16, 367.),MID1相補活性チャネル(PNAS. 2007, 104, 3639)が報告されており,これらと相同性のあるものから優先的に候補にする.アメリカネムノキの第三葉枕全体のRNAシーケンスを行い,その情報をもとにシロイヌナズナのCa2+チャネルと比較して相同遺伝子を調べたところ,それぞれ13種類,1種類,9種類,18種類,2種類,合計43種類を見出し,Flexor運動細胞特異的に発現しているCa2+チャネル候補遺伝子も同様に多いことが想定された.その結果,Ca2+チャネル候補遺伝子が得られたため,順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
酵母を用いた相補実験で簡便な活性評価を行い,その後,絞られたCa2+チャネル候補に対してアフリカツメガエルの卵母細胞を用いた二電極膜電位固定法によって詳細な特性を明らかにする.酵母相補実験は,酵母のCa2+チャネルCCH1欠損株が,ツニカマイシンによる小胞体ストレスを受けると生育できなことを利用する(J. Cell Sci. 2017, 130, 2317).すでに,シロイヌナズナのMID1相補活性チャネルを導入して,Ca2+輸送を相補できる予備実験を行っている.この系を用いて,アメリカネムノキのCa2+チャネル候補遺伝子がCa2+輸送を相補するかを解析する.
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