研究課題
産業上の重要性が高いマメ科植物における生命活動に必要不可欠な就眠運動の意義を見出すことを目指した.1.屈折運動細胞からの酵母発現用ライブラリーの作製これまでアメリカネムノキの植物全体のサンプルを用いたRNA からはCa2+輸送体は見いだせなかったことから,屈折運動細胞に特異的に発現するSsSLAH1 を指標にして屈折運動細胞のみを集めたサンプルを用いてRNA を抽出した.これらをもとに約16,000種類の独立したクローンを含む酵母発現用の完全長cDNA ライブラリーを作製した.2.酵母発現用ライブラリー用いたCa2+輸送体のスクリーニング酵母のCa2+チャネルCCH1 の欠損株が,ツニカマイシンによる小胞体ストレスを受けると生育できなことを利用して(J. Cell Sci. 2017, 130, 2317) ,上記で得られたライブラリーでのスクリーニングを行った.その結果,cch 欠損株の生育を相補した株が得られ,その原因遺伝子(候補Ca2+輸送体)を特定した.エクオリン発現酵母に得られた候補Ca2+輸送体を導入したところ,細胞質内のCa2+濃度の変化が見られ,輸送活性が検出できたことから,これをアメリカネムノキの新規Ca2+輸送体SsCAT1と命名した.アメリカネムノキは形質転換法の確立されておらず,植物個体でのSsCAT1の生理機能を解明するのは難しい.そこで,形質転換が可能なシロイヌナズナからSsCAT1 の相同性遺伝子を同定して解析した.さらに,ミヤコグサCAT1 の欠損株を入手,あるいはCRISPR/CAS9 による遺伝子破壊体やRNAi法による発現抑制体を作製を試みた.
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件)
Scientific Reports
巻: 12 ページ: 1~11
10.1038/s41598-022-11414-2
advanced science
巻: 2201403 ページ: 1~15
10.1002/advs.202201403
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 86 ページ: 12~22
10.1093/bbb/zbab180
生化学
巻: 93 ページ: 643~650
10.14952/SEIKAGAKU.2021.930643
日本土壌肥料学雑誌
巻: 92 ページ: 99~107
10.20710/dojo.92.2_99