研究課題
基盤研究(C)
ビウレットは尿素二分子が縮合して生じる含窒素化合物であり、過剰に存在すれば作物の生育を阻害する。本研究ではイネのビウレット傷害発生の機構について検討し、植物体内にビウレットが比較的高い濃度で蓄積することが傷害の原因であることを明らかにした。また、イネ懸濁培養細胞を用いた検討により、ビウレットを与えた場合に発現量が変動する遺伝子や蓄積量が変化する代謝産物を明らかにした。
植物栄養学
過剰のビウレットが作物を傷害することは古くから知られていたが、その機構は未だ明らかでない。本研究では、ビウレットによるダメージを受けたイネの代謝変化の一端を示した。尿素肥料の製造過程においてビウレットは低濃度ではあるが必ず生成するので、本研究の成果を踏まえてさらに、ビウレットの作用点を明らかにしていくことは、潜在的なビウレット傷害の回避に有効である。