研究対象としたペプチドは、一般的なプロテオーム解析において同定されるほど発現量が多いが、その機能は全く不明であった。野生型シロイヌナズナは、亜鉛欠乏のような環境下では個体を大きくしても栄養を獲得できないことから、生長を抑制することで必要以上にエネルギー消費しないようにしていると予想される。一方、当該ペプチドのシロイヌナズナ変異体ではその制御が効かず亜鉛欠乏培地でも根がなった。また細胞内局在解析からペプチドが細胞壁に局在していることや、変異体の細胞壁強度が弱くなっていたことから、ペプチドは細胞の長さを制御する機能をもつことが示唆された。
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