研究課題
酸誘導性を観察するにあたって、LacZ Assay系を構築した.当初、結果が振れていたが、Assayに用いる培養液量を増やすことにより、安定的な結果が得られるようになった.最初にgadB遺伝子の酸誘導性について観察を行った.gadB遺伝子の酸応答に関与する制御領域gad boxのみでは、酸誘導性を示さなかったが、gad boxの周辺を広げるにつれて酸誘導性を示すようになった.しかし、その応答の度合いは低く、1kbpに渡る領域に広げないと明瞭な酸誘導性は示さなかった.特にGadXWの結合領域が、明瞭な酸誘導性を示す重要な配列であることが観察された.gadBの酸誘導性プロモーターの解析は、領域が長いために、解析が難しいと判断したため、もう一つの既知の酸誘導性を示す、gadEの制御領域については、明瞭な酸誘導性が確認されたが、その発現量は低く、応用利用は難しいと判断した.続いて、gadEのプロモーターを強化し、発現量を増加させたところ、酸誘導性が弱くなり、また、酸を添加していない状況でも発現が見られたことから、応用利用可能性は乏しいという結果になった.誘導性強化のため、酸誘導に重要な役割を果たしているGadE、RcsBを過剰発現した株でgadE基本転写強化プロモーターの酸誘導性を検証した.その結果、酸誘導性に大きな変化は見られなかった.以上の結果から、リークの少ないプロモーターが必要であること、酸誘導にはGadE、RcsB以外の酸誘導シグナル因子の遺伝子工学的な改変が必要であること、が示された.本研究の成就のためには、上記2点に着目して研究を進める.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件)
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