研究課題
基盤研究(C)
トリアシルグリセロール(TAG)を主成分とする脂肪滴の分解に関してオートファジーが関与している可能性が報告されているが、その詳細な分子機構に関しては不明な点が多い。本件研究では、TAGを高度に蓄積する酵母Lipomyces starkeyiにおいて、TAGの分解に関与するオートファジー関連遺伝子の検討を行った。その結果、マクロオートファジーに関与するAtg1、Atg2の欠失株では野生型株よりも多くのTAGを細胞内に蓄積することから、Atg1、Atg2が脂肪滴の分解に機能すると考えられた。
応用微生物学
オートファジーに関する分子レベルの解析は進んでいるが、脂肪滴を標的としたオートファジーの機構の解析は不十分である。本研究は脂肪滴分解の際にどのオートファジー関連遺伝子が脂肪滴の分解に関与するかの統一見解を得ていくのに重要な知見を提供したと考えられる。また本研究は油糧酵母の油脂蓄積性向上による産業利用の促進にも寄与するものである。