研究実績の概要 |
研究代表者らによってゲノム配列が決定されたストレプトマイシン生産菌であるStreptomyces griseus NBRC 13350株からTSS-seqによって得たデータについて、データクォリティをチェックし、bowtie2によりリファレンスゲノム配列上へのマッピングを行った。次に、リード全長に渡ってミスマッチなくマッピングされたリードが5本以上である箇所を転写開始点として特定した後、プロモーター配列が存在すると考えられる転写開始点の上流100-bp程度(プロモーター候補配列)を抽出し、3,220のプロモーター候補配列を得た。 次に、プロモーター候補配列のアラインメントを行った結果、いくつかのグループに分類することは出来たものの、有意と思われるグループは見出せなかった。これは、プロモーターに特徴的な配列が存在していたとしても、それらの転写開始点からの出現距離がまちまちであることに起因していると考えられたため、k-mer(6-mer)解析を行い、プロモーター候補配列中に現れる6-merごとに、それらの転写開始点からの出現距離を調べた結果、4,096通りの6-merのうち約70-100個の6-merの出現距離に偏りが見られ、プロモーターに特徴的な配列である可能性が示唆された。 続いて、RNAが抽出された培養時間との関連を解析した結果、培養8時間ではプロモーター候補配列はTSSの上流10~30-bpに分布していたが、培養18時間では殆どのプロモーター候補配列がTSSの10-bp付近に分布し、培養24時間では15~35-bp付近に分布していることが明らかとなった。
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